猫ちゃんを新しく家族に迎え入れる選択肢として「保護猫」を候補に考える方も増えてきています。
しかし、初めて保護猫を引き取るといってもどういった流れで譲渡が行われるかも曖昧で不安に思いませんか?
私自身、保健所からウチに住んでいる猫「ロト」を子猫の頃に引き取った経験はあるのですが、ネットで調べたもののよく分からなくて不安でした。
同じように「保護猫を引き取りたいとは思うけど不安だ…」と感じている方を少しでも減らせるように、実際に保護猫を引き取るまでの流れについて解説していきたいと思います。
保護猫を引き取ることができる場所や方法、それぞれの場所の特徴について紹介します!
保護猫をウチで引き取りたい…お迎えできる場所とそれぞれの特徴
保護猫を引き取ることができる場所は、大きく分けて3つあります。
-
- 各地域の保健所
-
- 動物保護団体
-
- 保護猫カフェ
まずはそれぞれがどういう場所なのか、
簡単に紹介していこうと思います。
また、上記の代表的な3つの場所以外にも
「こういう方法もあるよ」というのも併せてお話ししていこうと思います。
各地域の保健所
日本全国各地には保健所が設置されており、
迷子になった子や野良で生まれた子、人間が面倒を見られなくて捨てられた子、
など様々な理由で保健所で保護されています。
保健所では成猫、子猫問わず保護されていますが、
猫の場合は保護猫全体の約60%(※)は子猫というデータがありますし、
どちらかといえば子猫の方が見かける確率の方が高いです(2018年の環境省の統計データを参照)。
※参考:環境省_統計資料 ー 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
私と一緒に暮らしている相棒のロトも保健所から引き取った猫で、
その時も保護されていた猫は子猫か1歳ちょっとの成猫がほとんどでした。
特に厳しい審査があるわけではありませんが、
本人確認やちゃんと最後まで面倒を見ることができるかチェックもされますので
しっかりと準備と覚悟を持った上で引き取りましょう。
動物愛護団体
殺処分を減らしゼロにするために
犬猫などの動物を中心に保護や譲渡、啓発活動を行ったり、
様々な活動を行っている団体です。
主にNPO法人だったりボランティアが運営しているところが多く、
海外では(最近では日本でも)アニマルシェルターと呼ばれることもあります。
動物愛護団体も全国各地にあり、
保護された子の譲渡会も定期的に行われていて、
こういった場で実際に犬や猫と触れ合って引き取ることが可能です。
引き取りを希望する場合はスタッフの面談を受ける必要があり、
保健所に比べると厳しめに審査されることが多いですが、
それには理由があります。
保護された子というのは何らかのひどい目に遭った子ばかりですし、
再び同じような目に遭わないようにするため、
引き取り側がちゃんと最後まで面倒を見られる環境なのかどうかを見極める必要があります。
そういった団体側の保護された子達への想いがあるからこそ、
厳しい審査の目があるというわけです。
とはいえ「しっかりと最後まで面倒を見る覚悟と環境があります」
というのを伝えられれば問題はありませんので
そこまで心配しなくてもOKです!
保護猫カフェ
野良猫や一時的に引き取り、
その子達と猫カフェでふれあうことができるという店舗です。
猫カフェとして猫好きな人たちがくつろげる場でもありますし、
保護された子達の譲渡も行っていて、
その他にも保護された子達への様々な運動をしています。
一番の特徴は猫ちゃんを引き取る前に、
しっかりじっくり猫カフェで触れ合うことができることですね。
猫カフェに何回も足を運んで猫ちゃんと過ごしていれば
「この子はこういう性格なんだ!」というのも見えてきますし、
猫ちゃんのことをよく知った上で迎え入れることができます。
その他の保護猫を迎えられる場所・方法
以上3つが保護猫を迎え入れるための代表的な場所なのですが、
その他にもあるのでこちらも併せて紹介します!
イオンペット(LIFE HOUSE)
「救える命をひとつでも、できることを一歩から」というスローガンのもと、
イオンモールなどのイオン系の大型店舗に保護犬・保護猫の譲渡施設が設置されています。
まだ数は少ないものの、
近くのイオンモールにLIFE HOUSEが入っているのであれば
こちらを利用してみるのもアリです!
LIFE HOUSEの店舗一覧は下に公式ページへのリンクを貼りましたので
こちら↓からどうぞ!
ネットの保護動物譲渡サイト
ネット上にも保護犬・保護猫を探せるサービスがありますので、
こちらを利用するのもひとつの手段です。
個人・団体問わずボランティアで保護犬・猫を一時的に預かっている方が
「こういう子を保護しました!」という情報を載せてくれるので
条件の合う子がいたらお迎えすることができます。
ただ、やりとりは個人間が主になってしまうので、
利用するときはしっかりとコミュニケーションを取ることを念頭に置きましょう。
保護猫を引き取るまでの具体的な流れって?
保護猫を引き取りたいけど、
どんな感じの流れで引き取りまで至るのかわからなくて不安…
という方もいるかと思うので大まかな流れについても解説します。
各団体・店舗によっては細かい部分や順序が異なる場合もありますので、
よくある例として受け取っていただければと思います。
また、やっておきたい事前準備も併せて紹介しますので、
こちらも参考にしてください。
保護猫を引き取る前にやっておきたい事前準備
家族となる猫ちゃんを迎え入れる前に済ませておきたい
事前準備について紹介します。
重要かつ、すぐに使うものを抜粋しましたが、
猫ちゃんのご飯については記載していません。
もちろん必ず準備しなければいけないもののひとつではあるのですが、
保護していたところでどんなものを食べていたのかを聞いた方がいいので
あえて記載から外させていただきました。
猫用のキャリーケース
猫を引き取る際は抱っこして連れ帰るのは危険ですので避けましょう。
引取りの事前説明では必ずキャリーケースを持ってくるようにと言われますので
あらかじめ準備をしておきましょう。
猫用トイレ
猫用のトイレも迎え入れる前に
準備しておいたほうがいいです。
迎え入れてから準備しようとすると、
思わぬ場所で用を足されることもありますし、
ドタバタしないようにするためにもあらかじめ準備しておくことをオススメします。
最後まで面倒をみる覚悟
これが一番重要なところです。
猫を飼う、ということは家族に迎え入れるということと同義です。
家の壁や家具などを爪で引っかいて傷をつけたり、
もしかしたら大事なものを壊すかもしれません。
また、猫ちゃんのご飯や猫砂、ワクチン、
また急に体調が悪くなった時の病院代などお金も掛かります。
夜に猫ちゃんがドタバタ走り回って
うるさくて寝れなくなることもあります。
猫を迎え入れるということは、こういった迷惑がかかったとしても最期まで面倒をみるという覚悟は最低限必要です。
その他にも準備するものはありますが、
別ページで猫を迎え入れるときの準備するものについてまとめてあるので、
こちら↓も併せてチェックしてください!
[getpost id=”120″ title=”関連記事” target=”_blank”]
保健所での譲渡までの主な流れ
保健所で保護猫を引き取る時の代表的な流れについて紹介していきます。
うちで引き取ったロト君の例で紹介しますが、
場所によっては多少流れが異なる場合もあるのでご了承ください。
①保健所に電話等で「保護猫を引き取りたい・見たい」と連絡を取る
まずは、引き取りたい猫ちゃんがいる保健所に電話連絡をしましょう。
「そちらで保護している猫ちゃんを引き取りたい(見たい)」と話せば職員さんが対応してくれますので、
あとは日時の調整や面会を希望する猫ちゃんはいるか…などいくつか質問されます。
基本的に面会の日時は保健所が開いている時間になるので、
平日の日中にスケジュールを空けられるようにしましょう。
ちなみに保健所のWebページに保護している猫ちゃんを紹介していることもありますので、
まずはWebをチェックしてから電話連絡をするとスムーズにやり取りがしやすくなります。
また、”管理ID番号”が付けられていることもありますので、
Webページを確認した時にID番号も併せてメモしておきましょう。
②当日キャリーケースや身分証明書、その他必要物を持って約束の日時に保健所へ行く
電話連絡した際に「~~~を持ってきてください」と言われたと思うので、これを忘れずに持っていきましょう。
私の場合はキャリーケースと身分証明書と印鑑の3つを持ってくるように言われました。
持参物を持ったら約束した時間帯に保健所へと行き、受付へと向かいましょう。
③保護猫と面会後に書類記入と説明を受け、保護する猫を受け取る
受付が終わったら担当の方がいらっしゃいますので、その後保護する猫ちゃんと面会をします。
この面会で実際に保護するかどうか、また保護する猫を選びますので分からないことや疑問点、どういう子なのかを担当の方に質問をするといいでしょう。
保護する猫が決まったら必要書類に記入と説明を受けたら、保護猫を受け取って自宅へ連れて帰ることができます。
④できるだけ早めに病院で検査をしてもらう
保健所でも説明はありますが、
引き取った保護猫は基本的にできるだけ早く動物病院へ連れて行き、健康検査と3種(5種)混合ワクチンをしてもらいましょう。
猫はパッと見ただけでは体調の判断がしにくい動物なので、
元気でも必ず病院で検査をしてもらうようにしてください。
また、猫が罹りやすい感染症を予防するためにもワクチン摂取はとても大事なことです。なのでこれもお願いするようにしましょう。
ちなみにワクチンは3種混合ワクチンと5種混合ワクチンのどちらかをしてもらうことが一般的ですが、
飼育する環境によってどのワクチンをしたらいいかは変わります。
そのためこのあたりは病院の先生と相談した上でワクチンを打ってもらうようにしましょう。
動物保護団体、保護猫カフェ
続いて動物保護団体や保護猫カフェから引き取る場合の流れを解説します。
この2つの基本的な流れはあまり変わりませんのでまとめて紹介させていただきます。
①譲渡会や面会の申し込みをする
動物保護団体や猫カフェでは定期的に里親を探すために譲渡会を行っています。
チラシや新聞、また猫カフェや動物病院の掲示で開催日時などの詳細が書かれているので、内容を確認しましょう。
この時、当日に何を持ってくればいいのか必ずチェックし、
当日忘れないように注意してください。
持参物を忘れると譲渡できないこともあるので忘れないように注意しましょう。
また、譲渡会がなくても保護猫との面会ができる場合もありますので、
保護猫カフェや保護団体のWebサイトをチェックしたり、メールや電話でアポイントメントを取るという方法もOKです。
②準備物を忘れずに持って猫とスタッフの方と面会
譲渡会が開催される日はあらかじめチェックしておいた準備物を忘れずに持っていきます。
その後、譲渡会で猫ちゃんと触れ合ったり、
スタッフの方と面会が行われますので、
その猫ちゃんがどういう子なのかを把握しましょう。
それと同時にスタッフ側も「譲渡する相手がどんな人なのか」を知る時間でもあります。
スタッフが住んでいる環境はどういったところなのか、
どういうお仕事をしているか等を聞いてきますので正直に答えるようにしましょう。
③トライアル飼育や講習が行われ、問題が無ければ正式に引き取り
面談が終わって譲渡が決まった後の流れは、団体によって異なります。
猫ちゃんと一緒に家で暮らす上で知識を高めるための講習や、
お試しで家で猫ちゃんと一緒に暮らすトライアル飼育などが行われます。
トライアル飼育は既に自宅に先住猫がいる場合、
新しく迎え入れる子と先住猫の相性がどうかを確認する必要があります。
そのためこのトライアルで保護猫と先住猫がうまく生活していけるかをチェックすることができ、
講習やトライアル飼育をパスしたら無事正式に引き取りという形になります。
保護猫をお迎えを検討しているなら、まずは見学から!
「猫ちゃんを迎えるなら保護猫からお迎えしたい」と考えている人は年々増加していますが、
いざ行動しようと思っても情報が少ないこともあって、
なかなか行動に移れないという方は少なくありません。
そういう方は一度保護猫カフェを訪れてみたり、
保護猫の保護団体が開催している譲渡会に見学でもいいので参加してみることをオススメします。
スタッフさんは保護している猫ちゃんの里親を真剣に探している方だらけなので、
分からないことや不安に思っていることは親身になって聞いてくれます。
見学だけでも問題はありませんし、
1回見てしまえば雰囲気をつかみ取ることができるので、
まずは行動してみましょう!
あなたの小さな勇気が、
ひとつの命を救うかもしれません。